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悪い噛み合わせは全身にも影響する!そのリスクとは?

【監修:歯科医師 長谷川雄士】


頭痛が辛そうな女性

実は、噛み合わせと全身への不調は関係していることがあります。噛み合わせが悪いまま過ごしていると、歯の寿命を縮める可能性だけでなく、体の不調(片頭痛、顎関節症、姿勢や顔の歪みなど)を引き起こす可能性もあります。

今回は「悪い噛み合わせにより引き起こされるリスク」「噛み合わせのセルフチェック方法」などについてお伝えします。

 【目次】
1、悪い噛み合わせ(不正咬合)が引き起こす身体への影響
  ①顔の歪みの原因となる可能性
  ②片頭痛の原因となる可能性
  ③口呼吸の原因となる可能性
  ④虫歯や歯周病の原因となる可能性
  ⑤耳鳴りの原因となる可能性
  ⑥運動能力が低下する可能性
2、噛み合わせのセルフチェック方法
3、噛み合わせのお悩みいつでもご相談ください!

悪い噛み合わせ(不正咬合)が引き起こす身体への影響

咬み合わせの悪さはご自身で自覚しにくいです。なぜなら、前歯が咬み合っていなくても奥歯で噛むことができるし、また、左右片側だけが噛みにくかったとしても噛みやすい方で噛むことができれば日常生活で困ることはほとんどないからです。

歯並びが良ければ噛み合わせも良いと思われる人もいるかもしれませんが、歯並びが良い人でも部分的に上下の歯が噛み合っていない場合もあります。

実際、歯科医院で歯の状態を診てもらい、噛み合わせに偏りがあることなどを指摘されて初めて噛み合わせの悪さに気付く方が多いです。噛み合わせは日常生活で困ることがなくても年齢を重ねる毎に支障をきたすことがあります。

この項目では、悪い咬み合わせが身体に与える影響について具体的にお伝えします。

①顔の歪みの原因となる可能性

頭部や顔面の骨格は縫合(骨と骨の繋ぎ目)により繋がっていますが、下顎の骨格だけは筋肉で繋がっています。そのため、口周りの癖(舌で歯を押すことや爪噛みなど)や体の姿勢などが歯並びに影響し、噛み合わせの悪化に繋がり最終的に顔の歪みが生じることがあります。頬杖やうつぶせ寝、口呼吸も影響しやすいです。

例として、片側の奥歯のみで咬んでいると

  • 咬筋が発達して片側のエラが張る
  • 話をする時や笑う時に片側の口角が上がる
  • 左右の目の大きさが異なる
  • 顔の片側にほうれい線がみられる

などの症状がでる場合があります。

普段の行動によっても、顔の歪みの原因になることもあります。「肩掛け鞄をいつも決まった肩にかけている」、「足組みをする癖がある」、「横向きに寝る」なども全身の歪みにも繋がります。

②片頭痛の原因となる可能性

噛み合わせが原因となる片頭痛は頭部の側面で起こりやすいです。下顎の神経は耳の手前あたりに位置する顎関節を通って頭部側面の神経に繋がります。そのため、噛み合わせにより下顎のズレが生じるとその神経が圧迫されることになり、偏頭痛が生じやすくなります。

また、噛み合わせの悪さは下顎の筋肉の緊張を引き起こしやすく、下顎の筋肉と繋がる首や肩にも筋肉の過剰な緊張を引き起こしやすくなります。噛み合わせは首の痛みや肩こりをも引き起こしやすくするのです。

※片頭痛や肩こり、首の痛みの原因は特定するのが難しいです。そのため、これらの原因が噛み合わせだけとは限りません。原因の1つとして参考にしていただければと思います。

③口呼吸の原因となる可能性

噛み合わせが悪いことで、唇をうまく閉じられない方もいらっしゃいます。唇を上手く閉じることができないと口呼吸になりやすいです。

正しい呼吸は鼻呼吸です。鼻から吸い込んだ空気は鼻腔を介して細菌やウィルスの量が減らされ、加湿された状態で肺に送り込まれます。

一方で、口呼吸は外部の空気を直接吸い込むため、口の中や喉が乾燥しやすくなり感染症にかかりやすくなります。

また、口の中で分泌される唾液には、抗菌作用(細菌の働きを弱める働き)や自浄作用(汚れを洗い流す作用)がありますが、口の中が乾燥しやすくなるとこの働きが弱まるため、細菌や汚れが口の中に停滞しやすくなります。この状態が続くと口臭の原因にも繋がりやすくなります。

④虫歯や歯周病の原因となる可能性

噛み合わせが悪いと歯並びも悪い場合が多いです。悪い歯並びにより歯と歯が重なっていたり歯が傾いていたりすると、汚れも付着しやすくなります。正しくケアできていないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。

また、噛み合わせの悪さにより、本来それぞれの歯にバランスよくかかるはずの噛む力が部分的に集中してしまいます。その部分の歯は大きな負荷がかかるため、歯の周りの組織にダメージが加わり歯周病の進行を早める原因にもなります。

歯周病の進行は、歯のグラつきを引き起こしたり、重症化すると歯が抜けてしまう原因にもなります。

⑤耳鳴りの原因となる可能性

噛み合わせは耳にも関係することがあります。耳の穴の奥に痛みを感じる、耳鳴り(音のない状態でも音が聞こえるように感じる現象)、声がこもって聞こえるなどといった症状がある方は、咬み合わせが関係しているかもしれません。

耳と顎の関節は近くにあり、耳の手前に指をあてて口を開け閉めすると、顎の関節が動いてるのを感じることができます。噛み合わせの悪さにより顎関節症が起こると、口を開けるたびにコキンと音がしたり、ジャリジャリと雑音が聞こえることもあります。

この状態では、顎関節に余分な力がかかってしまい、耳に存在する音を聞き取って脳に送る神経の妨げとなってしまいます。このことが原因で耳への違和感や痛みを感じることがあります。

⑥運動能力が低下する可能性

スポーツに関しても噛み合わせは重要です。噛み合わせのバランスは全身のバランスにも繋がっています。

噛むことは、大脳を刺激して筋力を向上させるという報告もあります。しっかりと噛みしめることは、体を安定させ瞬発力が発揮できたり、首の筋肉に力が入ることで頭部のブレを防いだり、足で蹴る力も強くなるので走るときに加速もしやすくなります。

このことから、運動のパフォーマンスを高めるには正常に歯が噛み合っていることが重要になります。

噛み合わせが悪いと、体もバランスがとりにくくなり故障の原因となったり、うまくバランスをとるために補おうとする力がかかり体力を消耗しやすくなったりします。また、体の動きをコントロールするのが難しくなることもあります。

咬み合わせや歯並びを整え、正しく歯のケアを行って健康な歯を維持することは運動能力の向上にも繋がっていきます。

噛み合わせのセルフチェック方法

おうちにある割り箸で噛み合わせのセルフチェックを行うことができます。ご自身の噛み合わせが気になる方は試してみましょう。準備するものは、割り箸に印をつけるための「ペンあるいは鉛筆」と「割り箸一膳」です。

【チェック①】噛み合わせのカタつき

  1. 左右の奥歯手前(小臼歯)で割り箸をかみます。
  2. 割り箸の先端を左右それぞれ触り、カタつきがないか確認します。
  3. 片方にカタつきがある場合は、噛み合わせのズレが生じている可能性があります。

【チェック②】左右の噛み合わせのバランス

  1. 割り箸の真ん中らへんをかみ、鏡で確認します。
  2. 割り箸が水平を保っていれば問題ないです。左右で傾きが確認される場合は、噛み合わせのバランスが悪い可能性があります。

【チェック③】前歯のズレ

  1. 割り箸のまん中に縦に線を書いて印をつけます。
  2. 1番前の歯と歯の間に割り箸の印が来るようかみます。
  3. 印の位置を上下前歯の位置と比較して、印の位置が上下違う位置にある場合は、左右の噛み合わせにズレが生じている可能性があります。

噛み合わせのお悩みいつでもご相談ください!

悪い噛み合わせは全身にも影響を与えます。矯正治療で歯並びや噛み合わせを治すことは、見た目だけではなく体の不調(偏頭痛・肩こり・耳鳴り・体の歪みなど)を改善しやすくなります。

体の不調の原因は特定が難しいですが、噛み合わせもその原因の1つになることもあります。実際の症例で、矯正治療により咬み合わせを改善したら体の不調が改善したケースもあります。

条件が合えば、大人になってからでも矯正治療は可能です。

特にインビザライン矯正は透明なマウスピース型の矯正装置を使用するため、矯正治療を行っていても気付かれにくくおすすめです。また、取り外しのできる装置なので食事や歯磨きも通常通り行うことができます。

咬み合わせの悪さが、歯並びだけではなく骨格自体が原因となって引き起こされている場合があります。その場合は、矯正治療とともに外科治療が必要になることもあります。

歯並びや咬み合わせが気になる方は、まずは歯科医院でお口の状態を診てもらいましょう。

当院では、無料カウンセリングを実施しております。過去の矯正治療で咬み合わせが改善できず、悩まれている方の再治療にも対応可能です。

いつでもご相談お待ちしております。

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