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大人になって歯の先端がギザギザなのはなぜ?理由と最適な治療法を矯正医が解説

【監修:歯科医師 長谷川雄士


歯を指さして鏡を見ている女性

歯の先端は通常平らになっていますが、「前歯の先端がギザギザしていて気になる」と患者様から相談されることがあります。
永久歯に見られる前歯のギザギザについて、その形になる原因や治療方法などを詳しくお話していきます。

【目次】
1.永久歯の先端はギザギザした形で生えてくる
 1-1通常なら2~3年で歯は平らに
2.大人になっても歯がギザギザな理由
 2-1 ①歯がうまく噛みあっていない
 2-2 ➁歯ぎしり・食いしばりで歯に強い力がかかっている
 2-3 ③酸性の飲食料によって歯が溶けている(酸蝕症)
 2-4 ④加齢などで歯が劣化している
 2-5 ⑤転倒や強打などで歯が欠けている
3.ギザギザ歯は治療した方がいい?
4.歯のギザギザを治す治療法
 4-1 ①コンポジットレジン等の被せ物
 4-2 ➁ラミネートべニアでギザギザ部分を補正する
 4-3 ③歯列矯正でかみ合わせを整える
5.歯のギザギザの進行を食い止める方法
 5-1 ①歯ぎしり防止用のマウスピースを着用
 5-2 ➁食生活を見直す
6.安易な研磨は健康な歯にダメージを加えることも
7.歯並びが原因のギザギザ歯には歯列矯正が有効 

永久歯の先端はギザギザした形で生えてくる

歯は顎の骨の中で歯の形に形成されて生えてきます。のちに歯冠となる歯の頭の部分から作られていき、前歯が作られる場合、歯の元になる3つの「歯胚」という組織が接合して1つの歯になります。臼歯は5つの歯胚が接合する場合があります。
その歯胚同士が繋がっている部分が少し溝の様になることで先端がギザギザします。このギザギザ部分を「切縁結節」といい、鏡で見えやすい前歯を見ると歯の先がギザギザしているのは切縁結節のせいです。生えて間もない永久歯がギザギザになっているのは正常であり、特段問題はないので様子を見るケースがほとんどです。

通常なら2~3年で歯は平らに

通常は歯が生えたあと、食事や会話などの日常生活を送っている中でだんだんとすり減っていくので、2~3年で平らになりギザギザは気にならなくなります。
ギザギザがなくなるのは上下の歯がうまく噛み合っているという判断にもなります。

大人になっても歯がギザギザしている方は噛み合わせや食生活などに何らかの問題がある可能性があります。ギザギザの理由は普段何気なくしている生活の中にあるので、思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。

大人になっても歯がギザギザな理由

①歯がうまく噛みあっていない

通常、上下の歯が正しく噛み合っていると、お互いの歯が当たってすり減り、自然な形になります。しかし上下の歯が噛み合わず、食べ物を噛み切れないなど前歯の役割がうまく果たせていない場合は、歯同士が当たることが少なく、歯はお互いにすり減ることがありません。そうすると切縁結節は摩耗されずに残り、ギザギザのままになることが考えられます。
前歯でうまく噛めないと、臼歯にばかり負担がかかり、顎関節にも悪い影響を与えることがあります。

➁歯ぎしり・食いしばりで歯に強い力がかかっている

歯ぎしりや食いしばりの力は、普段食事をするときに噛む力の何倍にもなります。食事の時の噛む力が10kg程度に対し、歯ぎしりや食いしばによって歯にかかる力は50kg~100kgともいわれていて最大約10倍の力が無意識にかかっています。途轍もない力が歯にかかっていると言えます。

歯ぎしりや食いしばりを放置していると、奥歯はもちろん、前歯にも大きな悪影響が与えられます。歯が割れたり削られたりして歯がギザギザしてくる原因となります。

③酸性の飲食料によって歯が溶けている(酸蝕症)

歯は酸性の強い食べ物や飲み物によって溶ける性質があります。その症状を「酸蝕症」といい、酸性の強い柑橘類や清涼飲料水を好んで食べたり飲んだりすることで酸蝕症のリスクが高くなります。
ただ、酸性の強い物を食べたり飲んだりすることが酸蝕症のリスクを高めるのではありません。長時間飲んでいることで口内は酸性の状態が続き、歯の表面のエナメル質を溶かしやすくなり、歯がギザギザしてくる場合があります。

④加齢などで歯が劣化している

年齢を重ねてくると体力が低下するように、歯も脆くなります。噛みしめの強い方や歯ぎしりの癖がある方は、歯にかかる力によって歯が欠けたり割れたり、細かいヒビが入りやすくなり、少しの衝撃で欠けて歯の先がギザギザになることがあります。
また、今までは食べられていた硬いせんべいなどの食べ物でも加齢によって歯が欠けることがあり、そのせいで歯がギザギザしていると感じる場合があります。

⑤転倒や強打などで歯が欠けている

何らかの原因で顔面を強く打ったり転倒した際に、前歯が割れたり欠けたりすることがあります。前歯は他の歯に比べて薄いので、こういった転倒や強打によって受ける影響は大きく、欠けやすく割れやすいのでギザギザになることがあります。
ラグビーや野球、バスケットボール、ゴルフ、陸上などのあらゆるスポーツ選手では歯を守るために、マウスガードを装着します。力を入れる時に食いしばる強い力から歯を守るためや、瞬間の強い力、外部から受ける衝撃から歯を守ります。

ギザギザ歯は治療した方がいい?

前歯がギザギザになる原因は様々あり、これらの原因を放置することは他の歯にも大きな影響を与えたり、噛み合わせの悪化や顎関節にも影響を及ぼす可能性があります。

〇噛み合わせが悪くなる
前歯で噛み合っていないと開咬や反対咬合などの歯列不正になる恐れがあります。

〇臼歯や顎関節への影響
前歯で噛めないままだと臼歯に噛む力がかかり続け、歯や顎関節に痛みが出ることがあります。

〇酸蝕症の放置
酸蝕症は歯を溶かしていくので、歯が痛む、歯が脆くなる、変色するなどの症状が現れることがあります。

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歯のギザギザを治す治療法

①コンポジットレジン等の被せ物

ギザギザになっている原因が酸蝕症の場合、歯は酸によって溶けているので脆くなっています。そのような歯は被せ物をすることで歯を保護する目的と、溶けてギザギザや短くなっている歯の形を改善することができます。

被せ物には主にコンポジットレジンとセラミックの2種類があります。

〇コンポジットレジン 
保険が適用できます。歯の色に近いレジンと呼ばれる樹脂で、削る歯の量が少なく被せることができます。しかし、樹脂なので着色しやすく耐久性が低いことがデメリットとして挙げられます。費用は1本2000円程度になります。

〇セラミック
保険外の治療になります。セラミックは陶磁器でできており、好きな色や形にでき透明感のある天然歯に近い歯にすることが可能です。しかし陶磁器なので瞬間的に強い力がかかると割れることがあり、被せるために歯を大きく削る場合もあります。費用は自費診療で1本10万円~15万円になります。

➁ラミネートべニアでギザギザ部分を補正する

ラミネートべニアとは、前歯の表側を削って薄いセラミックを接着させる治療方法です。歯の色や形を調整でき、歯を削る量は最小限、または削らず接着することができます。すきっ歯や何らかの影響で黄ばんだ変色歯の治療にとても有効な治療方法です。
もちろんギザギザになっている歯にも対応でき、歯の表面を薄く削り、隣り合う歯との大きさや形、色を合わせて作製されるので自然な歯に近づけることができます。歯面全体を覆う方法、隙間を埋めるため一部のみに接着させる方法があります。
被せ物をするために大きく削られた歯には対応できません。また、表面に貼り付けているので割れたり外れたりするデメリットもあります。費用は1本7万円~10万円になります。

③歯列矯正でかみ合わせを整える

歯列矯正の主な治療方法は、ワイヤー矯正・マウスピース矯正があります。

〇ワイヤー矯正
歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす矯正治療です。歯1本1本を細かく動かすことができるので、対応できる症例が多く効率よく歯を動かすことができるのが特徴です。また、マウスピースのように取り外す必要がないので、装置の紛失の心配がありません。
しかし、歯の表側や裏側に装置が装着されるので、食事や歯磨きがしにくい、舌に装置が当たって痛みや傷になるなどのデメリットもあります。ワイヤーやブラケットは目立ちにくい色を選択できたり、裏側矯正だと装置が見えないので矯正治療中ということが分かりにくいです。
費用は部分矯正だと10万円~70万円、全体矯正だと60万円~150万円です。(裏側矯正は高くなる傾向があります)

〇マウスピース矯正
透明で薄いマウスピースを装着して歯を動かす矯正治療です。治療計画に基づいてマウスピースが作製され、1週間~10日間に1枚を交換しながら歯を動かしていきます。装着したときの違和感が少ないため、装着したまま会話ができ目立ちにくいので人からも気付かれにくいです。しかし、1日20時間以上の装着が必要であったり、水以外の飲み物や食べ物を摂る際には取り外し、毎回歯磨きが必要になります。
費用は部分矯正だと20万円~60万円、全体矯正だと80万円~120万円です。

歯のギザギザの進行を食い止める方法

①歯ぎしり防止用のマウスピースを着用

普段何気なくしている歯ぎしりや食いしばりが原因で歯がギザギザになる場合、歯ぎしりを防ぐために有効な方法の一つにマウスピースを装着することが挙げられます。
マウスピースはソフトタイプのものとハードタイプのものがあります。
マウスピースを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによって歯にかかる力を和らげる効果があり、同時に顎関節への負担も軽減できることが期待できます。しかし、就寝中にマウスピースの違和感によって外してしまうことがあるので慣れるまでは時間が必要です。

➁食生活を見直す

柑橘類や酸っぱい食べ物が好きな方で、歯がギザギザしている方は食生活の見直しをすることをお勧めします。
具体的にはグレープフルーツ、レモン、炭酸飲料、黒酢ドリンク、ポン酢、ビタミンCのサプリなどが挙げられ、ハーブティーにも酸性の強い飲み物があります。これらを夜飲んで就寝すると、寝ている間は唾液の自浄作用があまり働かないので、歯に酸が付着した状態が長時間続きます。毎日その状態が続くと少しずつ歯が溶けていき、歯がギザギザになっていきます。
酸性の高い食べ物を食べる回数を減らしたり、食べたあとは水で流したり歯磨きをしてお口の中を酸性にしないことを心がけましょう。

安易な研磨は健康な歯にダメージを加えることも

ギザギザになっている前歯を爪すりを使って自分で削って形を整えるという動画が拡散されたことがあります。これは非常に危険な行為ですので、決して真似をしてはいけません。
本来、歯の最表面の硬い部分であるエナメル質は、歯を保護する役割を持っています。それを安易に削ってしまうことで、歯がしみたりすることはもちろん、歯の内部の組織まで傷をつける恐れがあります。そして削って失われた部分は二度と元通りにはなりません。

エナメル質を削ることで

  • 歯がしみるようになる
  • 虫歯になりやすくなる
  • 歯本来の白さや光沢が失われる
  • 痛みが酷くなると神経を抜く必要がある

などの恐れがあるため、ギザギザが気になる方は必ず歯科医院で相談することをお勧めします。

歯並びが原因のギザギザ歯には歯列矯正が有効

前歯がギザギザになる原因は様々で治療方法も様々です。
歯並びが原因の場合は、被せ物やラミネートべニアのような補綴治療を行うこともでき、治療期間も比較的短いのですが、被せ物は割れたり外れることもあり、何より健康な歯を削る場合もあるためおすすめはしません。
一方、歯列矯正では、治療期間は長くかかる場合はありますが、歯並びを全体的に整えていくので、噛み合わせもしっかり改善できご自身の歯を削らずにギザギザも改善できます。
できるだけ長くご自身の歯で噛めることを考えると、歯列矯正をお勧めします。
気になる前歯のギザギザは、透明で目立ちにくいマウスピースを装着するインビザラインで歯並びを改善することができます。インビザラインは取り外しができる装置なので、食事や歯磨きも取り外していつも通りできます。
まずは、前歯のギザギザの原因が何なのか、当院の無料カウンセリングでお話をお聞きした上でお伝えします。お気軽にお問合せ下さい。

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