インビザラインのアタッチメントの疑問を解消!期間や見た目など気になるポイントを歯科医師が解説
【監修:歯科医師 長谷川雄士】
インビザラインを紹介するサイトなどで『アタッチメント』という言葉を見かけたことはありませんか?「インビザライン治療をするのに必要らしい」ということは知っていても、アタッチメントが何なのかをしっかり理解されている方は少ないのではないでしょうか?実際、インビザラインのご相談にいらっしゃった患者さんから、「アタッチメントって何?」というご質問を受けることがよくあります。
本コラムでは、インビザライン治療におけるアタッチメントの役割や、よくあるご質問について、歯科医師が解説していきます。これからインビザラインを始めようとされている方の疑問点が解消できれば幸いです。
【目次】
1.インビザライン治療におけるアタッチメントの役割とは?
2.アタッチメントのタイプ
2-1 通常アタッチメント
2-2 最適アタッチメント
3.アタッチメントについてよくある質問
3-1 アタッチメントはどのくらいの期間つけているの?
3-2 アタッチメントは見た目に影響する?
3-3 アタッチメントをつけることで痛みや違和感はある?
3-4 アタッチメントが外れてしまった時の対処法は?
3-5 アタッチメントの食事への影響は?
3-6 アタッチメントの歯磨きへの影響は?
3-7 アタッチメントの装着方法は?
3-8 アタッチメントの外し方は?
3-9 アタッチメントなしでの治療は可能?
4.アタッチメントについて気になることがあれば、遠慮なくご相談ください
インビザライン治療におけるアタッチメントの役割とは?
インビザライン治療では、ご自身の歯にぴったりあったマウスピースを装着することで歯を動かしていきます。その上で欠かせないのが、『アタッチメント』です。
アタッチメントとは、歯の表面に付ける、コンポジットレジン(白いプラスチック)製の小さな突起のことです。
この突起があることで、マウスピースを装着した際に、歯に適切な方向・強さの力を加えることができます。
歯の動かし方は、患者さんの歯の並び方によって異なります。さらに言うと、歯一本一本の生え方によっても違い、すべての歯を同じように動かせばいいわけではありません。
「この歯は前に出す」「この歯は回転させる」など、それぞれの歯が動かしたい方向へ動くように違う力を加える必要があります。この細やかな動きのコントロールはマウスピースだけでは難しく、アタッチメントを固定源にすることによって調整可能となるのです。
アタッチメントのタイプ
アタッチメントには、大きく分けると2つの種類があります。
通常アタッチメント
歯科医師が患者様のお口の中の状態や治療計画を確認し、必要に応じて取り付けるタイプのアタッチメントです。長方形、楕円形など、歯への力の加え方によって形が異なります。
最適アタッチメント
インビザラインの設計時に、シミュレーションソフトによって自動的に設計されるタイプのアタッチメントです。
最適アタッチメントは、歯並びごとに数パターンに分けられます。
◆オープンバイト用アタッチメント
奥歯を咬み合わせた時に、上下の前歯が咬み合わずに隙間が空いている「オープンバイト(開咬)」用のアタッチメントです。前歯を歯冠方向へ動かす力を加えやすくします。
◆ディープバイト用アタッチメント
奥歯を咬み合わせた時に、上の前歯が下の前歯を覆い隠すほど深く咬みこんでいる「ディープバイト(過蓋咬合)」用のアタッチメントです。奥歯を挺出(歯茎から引き出す方向の力を加える)させて咬み合わせを調整する役割があります。
◆ルートコントロール用アタッチメント
歯の歯冠部分だけではなく、歯根(歯の根っこ)部分に力を加えて歯の傾斜を調整する「ルートコントロール」用のアタッチメントです。前歯の中でも、犬歯や中切歯の調整をする際に用いられることが多いです。
◆回転用アタッチメント
歯が捻じれて生えており、回転させるように動かして歯並びを整える場合に用いられるアタッチメントです。
◆アンカレッジ用アタッチメント
主に抜歯が必要なケースで用いられるアタッチメントです。抜歯によってできたスペースを埋めるように移動させる力を歯に加えます。
上記のアタッチメントの多くはコンポジットレジン製です。
その他に、金属製のボタンタイプのものや、カリエールという複数の歯を繋ぐタイプの装置を使用する場合もあります。
アタッチメントについてよくある質問
実際にアタッチメントを使用するにあたって、よくあるご質問をまとめました。
アタッチメントはどのくらいの期間つけているの?
アタッチメントの役割は、歯に適切な力を加えて歯を動かすことです。そのため、治療開始後、歯を動かす「動的期間」である2~3年はつけている必要があります。半年~1年程度で終わるケースもあり、症例によって装着期間は異なります。
歯並びが整い、そのまま固定させる「保定期間」に入れば、アタッチメントは取り外します。
アタッチメントは見た目に影響する?
先述したとおり、アタッチメントの多くはコンポジットレジン製です。色は歯の色に合わせるため、アタッチメントをつけていてもそれほど目立ちません。会話をする程度の距離間なら、周りの方に気づかれることもないでしょう。
見た目に大きな影響がないことは、インビザラインでの矯正治療のメリットのひとつです。
ただし、横から見た時の歯の表面の突起や、アタッチメント周りの着色汚れが気になるという方も、中にはいらっしゃいます。あまりにも気になるようなら歯科医師にご相談ください。
アタッチメントをつけることで痛みや違和感はある?
アタッチメントを歯に付ける時は、痛みはありません。
しかし、アタッチメントを付けてから初めてインビザラインを装着する際には、窮屈感が気になることがあります。歯に力が加わって移動し始めると、痛みを感じることもあるでしょう。
どちらも2~3日ほどで落ち着いていきますので、ご安心ください。
また、アタッチメントを付けるとマウスピースとの密着度が高まるため、最初のうちは外しづらく感じるかもしれません。しかし、外すコツ(奥歯の内側から浮かせるなど)を掴めば、数日でスムーズに着脱できるようになります。
アタッチメントが外れてしまった時の対処法は?
どこのアタッチメントが外れたのかを確認し、早めに歯科医師に相談しましょう。
外れてすぐに治療に支障が出るわけではありませんが、放置すると歯に適切な力が加わらない期間が長くなるため、計画通りに治療が進まなくなることがあります。
また、アタッチメントが外れた部分が欠けて尖り、頬や唇を傷つけることもあるため、当たった感触が気になる場合は早めに歯科を受診するようにしてください。
アタッチメントの食事への影響は?
アタッチメントがついていても、普段通りに食事することができます。
しかし、コーヒーやカレーなどのように色の濃い飲食物を多く摂取すると、アタッチメントの周りに着色汚れが付くことがあります。見た目が気になるようになるかもしれないため、着色しやすい飲食物は控えることをお勧めいたします。
なお、アタッチメントだけではなく、インビザラインも同様に着色します。そのため、飲み物を飲む時にはインビザラインを外したり、飲食後には口をすすいでからインビザラインを装着したりするようにしましょう。
また、お餅やガムなどの粘着性の高い食べ物や、非常に硬い食べ物は、アタッチメントが外れる原因になることがあります。万が一外れても付け直すことが可能ですので、焦らずにご連絡ください。
アタッチメントの歯磨きへの影響は?
アタッチメントがついていても、通常通り歯磨きできます。
アタッチメント部分は突起しているため、毛先をしっかり当てて丁寧に磨くようにしましょう。
アタッチメントの装着方法は?
アタッチメントは、以下のような手順で歯科医院にて装着します。
- 歯の表面を綺麗にする
- アタッチメントが接着しやすいように、接着部分に薬剤を塗布して表面処理をする
- 水洗して薬剤を落とし、乾燥させる
- 接着部分に接着剤を塗布する
- アタッチメントテンプレート(アタッチメント装着用の装置で、アタッチメント装着部分がわかるようになっている)の該当部分にコンポジットレジンを流し入れ、アタッチメントテンプレートを装着する
- 光照射を行なってコンポジットレジンを硬化させる
- マウスピースを外して、コンポジットレジンの余剰分を除去し、表面を研磨する
アタッチメントの外し方は?
動的期間終了後に、専用の器具を用いて少しずつ削って外します。多少の振動はありますが、歯を削るわけではないため痛みはありません。
アタッチメントが外せたら、歯の表面を磨いて綺麗にします。
アタッチメントなしでの治療は可能?
アタッチメントは、インビザライン治療に欠かせない大切なパーツです。
アタッチメントがあることによって、それぞれの歯に対して適切な力を加え、効率よく歯を動かすことができます。
理想の歯並びに近づけるために大切な役割を果たしていることをご理解いただければと思います。
アタッチメントについて気になることがあれば、遠慮なくご相談ください
インビザライン治療において、アタッチメントは歯並びを理想的な形へと導く大切な役割があります。
アタッチメントの見た目や役割など、患者様からよく寄せられる内容をご紹介してきましたが、もし他にも疑問や不安な点がありましたらお気軽に当院までご相談ください。
当院では、無料カウンセリングも実施しております。歯科医師が、あなたのお悩みに丁寧にお答えいたします。
