子どもの矯正(小児予防矯正)
10際未満のお子様がいらっしゃる保護者の方へ
大人になってからではできない矯正「小児予防矯正」
でっ歯、受け口、ガタガタの歯並び、深い噛み合わせ、すきっ歯、開咬といった歯並びの乱れは「不正咬合」と呼ばれ、上顎と下顎の大きさ・位置のバランスがずれていたり、上下の歯がきちんと咬み合っていない状態にあります。
不正咬合になる原因は「遺伝」が定説でしたが、ここ30年ほどの研究によって「小児期の口腔習癖」が大きく影響することがわかってきています。
「口腔習癖」とは、簡単に言えば「お口の使い方のクセ」のことです。
例えば「指しゃぶりがやめられないお子様の場合、歯並びが悪くなりやすい」というお話を聞かれたことがあるかもしれません。
こうした普段の何気ないクセが、歯並びを乱れさせたり、顎や骨格の成長を妨げてしまうことがあります。
指しゃぶり以外にも、お子様の様子を観察していると、さまざまな歯並びを悪くする「サイン」を見つけることができます。
いくつお子様にあてはまりますか?
- 口が閉じない、ポカンと口を開けていることが多い
- 食事の時にあまり噛まない
- くちゃくちゃ音を立ててごはんを食べる
- 唇が乾燥しており、冬場は切れることもある
- 指しゃぶりをしている
- 発音が気になる
- 喋るときに舌を出しす癖がある
- うつぶせで寝ることが多い
- すでに歯並びが悪くなり始めている
こうした様子が見受けられる場合、将来的にお子様の歯並びが悪くなることが予想されます。
それではなぜ、このような小さなサインが歯並びの乱れにつながるのでしょうか?
「口腔機能発達不全症」という言葉をご存知でしょうか。
私たちのお口は、「食べる」「話す」「呼吸する」という3つの機能を担っています。
しかし、成長の過程でこれらの機能が獲得できておらず、
- 手に食べられない、飲み込めない
- 構音(発音)がうまくできない
- 十分な呼吸ができていない(口呼吸している)
といった状態にあることを「口腔機能発達不全症」といいます。
「口腔機能発達不全症」と「予防矯正」のつながり
具体的に、口腔機能の発達と歯並びがなぜ関係しているのでしょうか?
これらは人間にとって非常に重要な機能であり、生涯を通じて健康面に様々な影響を及ぼします。
その一つとして、歯並びにも影響を与えることが明らかになっています。
口腔機能は、乳幼児から離乳を経て段階的に発達していきます。
ただし、段階的に正しい経験を積むことが大事であり、先ほどのようなサインを見逃してしまうと正しい成長や発育が阻害されてしまうことがあります。
歯並びが悪くなる原因
歯並びが悪くなる原因は、大きく分けて2つ考えられます。
1.歯性のもの
歯は唇と舌の間に位置しています。通常、唇が閉じており、舌が定位置におさまっていれば、歯には余計な力がかかりません。
しかし、口がぽかんと開いていたり、舌の場所がいつも定まらず、舌で歯を触ったり押したりしてしまうと歯並びが徐々に乱れていきます。
唇や舌の力は想像以上に大きく、矯正治療で歯にかける力よりも強いため、このようなことが起こります。
お口の周りの筋肉の使い方、舌の使い方を正しく身につけることが必要になります。
2.骨格性のもの
顎の発育が不十分だと、小さい顎の狭いスペースに永久歯が生えればガタガタとした歯並びになってしまいます。
正しく舌が使えていると、上顎に刺激が伝わり骨の成長が促されます。
しかし、正しく舌が使えない場合には上顎が十分に発達できず、歯並びがデコボコしてしまうばかりか、下顎とのバランスが取れずに受け口になってしまうことも考えられます。
ここでは簡単に説明しましたが、口呼吸・舌の癖・間違った飲み込みの癖などが体や骨格の発達に影響し、歯並びやお顔つきにまで影響するのです。
メリットが多い「小児予防矯正」
口腔内を専門とする歯科医院では、正しい口腔機能が身につくような指導・サポートが可能であり、一般的に「小児予防矯正」という治療を行っています。
「矯正」という名前がついていますが大袈裟な装置を使う治療ではありません。
口呼吸の改善、飲み込みの練習、舌の使い方の指導などを通して、お子様の体の成長や歯並びを悪くする原因を取り除いていきます。
大人になってからの矯正治療では得られないメリットがあります
成人矯正は体の成長が止まり骨も完成されていますので、顎の大きさを変えることはできません。顎が発達しきった後に歯を並べる治療になりますので、どうしてもスペースがたいない場合には抜歯が必要になるケースもあります。また、リテーナーと呼ばれる装置をきちんと装着しないと歯並びが元の位置に戻ろうと動きます。
しかしながら、小児予防矯正では歯並びを悪くする原因を取り除き、正しい位置に歯が生えてくるようにサポートするので「後戻り」の心配がありません。
お子様だからこそ体や骨格の成長にアプローチ・改善することができます。
これこそが「小児予防矯正」の最大の特徴といえます。
実際の治療内容
1.日中1時間+夜寝ている間、マウスピースを装着していただきます。
家にいる時に1時間付けていただければ大丈夫なので、学校で装置をつけて過ごす必要はありません。
2.毎日5分程度、ご自宅でトレーニングを行っていただきます。
呼吸、舌の使い方、飲み込み方、唇、頬のエクササイズなどの中から、お子さまに必要なメニューをご提案します。
1日5分という簡単なトレーニングですが、続けることで目に見える変化が現れ始めます。
3.月に一度、経過観察のために医院にご来院ください。
お口や顔貌(顔つき)のチェック、マウスピースの装着状況などを行っていきます。
小児予防矯正の注意点
メリットが多いこの小児予防矯正ですが、1つだけ注意点があります。
それは、治療が可能な年齢が非常に限られているということです。
あごや口周りの筋肉が成長する時期に治療しなければ下で挙げたようなメリットが得られないという点です。
気になった方は是非お早めにご相談してくださいね。
小児予防矯正のご相談は静岡ひかり歯科・矯正歯科へ
静岡ひかり歯科・矯正歯科では、お子様の歯並びが悪くなる根本の原因を解消する「小児予防矯正」を行っています。
この矯正治療を続けていくと、歯並びがキレイになるだけでなく、 顔つきの変化や、鼻で呼吸ができるようになるなど、変化を感じるようになっていきます。
もし、小児予防矯正にご興味がある方は、お気軽に当院の「矯正無料カウンセリング」でお話をお聞かせください。
治療開始のタイミングを見極めるのが重要な治療になりますので、「まだ年齢的に早いかな?」と思われる場合には、年に1回程度定期検診を受診ください。
歯並びが問題ないか、治療が必要かどうか、定期的に経過を診させていただければと思います。