すきっ歯
空隙歯列(すきっ歯)とは?
歯の隙間が広い歯並びを空隙歯列(くうげきしれつ・すきっ歯)と言い、中でも前歯に隙間がある状態を「正中離開(せいちゅうりかい)」と言います。
日本人に見られる不正咬合の中でも叢生、上顎前突に次いで多い歯並びとされています。
※出典:厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査
空隙歯列をコンプレックスに感じられている方も多くいらっしゃる一方で、矯正治療を始めると短期間で見栄えの変化も感じやすく、矯正治療の効果を実感していただきやすい歯並びのタイプです。
空隙歯列(すきっ歯)の注意点
空隙歯列の注意すべきポイントは、実は見た目ではありません。
歯の間の隙間が多いことで、
- 汚れが溜まりやすく虫歯・歯周病になりやすい
- 発音、滑舌に支障が出ることがある
といったデメリットが考えられ、不正咬合(よくない歯並び)の一つに分類されています。
なぜ空隙歯列(すきっ歯)になるのか?
空隙歯列になる原因として、以下の4つが挙げられます。
1. 歯と顎のバランスによるもの
歯の大きさが通常よりも小さい(矮小歯)、または顎が通常より大きいなど、歯と顎の大きさに不調和がある場合、歯と歯の間に隙間が生まれることが考えられます。
治療方法としてはまず矯正治療が考えられ、それ以外には人工の補綴物(ダイレクトボンディング、ラミネートベニア)による治療という選択肢も考えられます。
2. 上唇小帯の発達・埋伏歯が原因の場合
先天的に上唇小帯が発達している場合や、歯茎の中に埋まっている歯が原因ですきっ歯になっている場合もあります。
この場合には上唇小帯の切除、あるいは正中過剰埋伏歯の抜歯が必要となります。
3. 先天性欠如歯や埋伏歯がある場合
生まれつき永久歯の本数が少ない「先天性欠如歯」がある場合にも隙間が生じる場合があります。
4. その他
後天的なケースとしては、虫歯や歯周病で奥歯を失ってしまった場合や、重度の歯周病で隙間が生じているケースもあります。
この場合、補綴(被せ物など)や歯周病治療など、根本的な原因を解消する必要があります。
空隙歯列(すきっ歯)を治す4つの方法
治療法は次のようなものがあります。
すき間がそこまで大きくなければ、ダイレクトボンディングやラミネートベニア(歯の幅や厚みを盛り足すような処置)も選択肢として考えられます。
これらは1日で治療が完了するケースも多い治療方法ですが、多少なりともご自身の歯を削る必要があることや、付け足したものが外れたり変色するといったリスクもあります。
こうしたリスクを解消し、ご自身の歯を守ることを考えると矯正治療という選択肢も考えられます。
空隙歯列(すきっ歯)を矯正治療で治すには?
先ほどもお伝えしたように、空隙歯列にはいくつかの原因が考えられます。
原因によって適する治療法が異なりますので、静岡市の静岡ひかり歯科・矯正歯科では、しっかりとカウンセリングや検査を行った上で、患者様一人ひとりにあった治療計画をご提案させていただきます。
矯正治療方法の比較
費用 | 治療に伴う歯への負担 | 治療中の見た目 | |
ワイヤー矯正(従来の矯正装置) | △ | 〇 | 〇 |
マウスピース矯正 | △ | 〇 | 〇 |
ラミネートベニア(セラミックによる付け爪のような治療) | ◯ | △ | △ |
ダイレクトボンディング(レジンによりすき間を埋める治療) | ◎ | ◎ | -(約1日程度で終了) |
ワイヤー矯正はワイヤーが目立ちます。
マウスピース矯正は透明で目立ちません。
ラミネートベニアは歯を薄く削った上で付け爪のようにセラミックを貼り付けます。
見た目はきれいに治る反面、少なからずですが天然の歯を削るため、欠ける・取れるなどのリスクはあります。
ダイレクトボンディングは白い樹脂を歯に貼り付ける治療法です。
ラミネートベニアより取れるリスクが高く、着色しやすい素材のため、長期的な改善には不向きな治療です。